AA Michelson Awardとは
Computer Measurement GroupのAA Michelson Awardとは、コンピュータの計測とパフォーマンスの評価の分野で優れた功績のあった方に捧げられる賞です。
詳細については、
で書いたので、そちらをご参照下さい。
André Bondi博士の功績
今回、2016年のAA Michelson Awardを受賞されたAndré Bondi博士は、複数のドメイン領域でのパフォーマンス問題についての功績が評価されての受賞です。
博士は、2016年3月に設立された、Software Performance and Scalability Consulting LLCという会社の創業者兼社長を勤めていらっしゃいます。
- ロンドンに本社を置く多国籍ITコンサルティング企業のLogicaでコンサルタントとして2年
- カリフォルニア大学のコンピュータ・サイエンスの助教授を2年
- AT&Tラボの前身であるMTSで10年
- AT&Tラボで13年
- シーメンスで約20年
パフォーマンス関連のお仕事をされてこられた方です。
2014年に、Addison-Wesleから「Foundations of Software and System Performance Engineering」(「ソフトウェアとシステムのパフォーマンスエンジニアリングの基礎」)という400ページに及ぶ本を出版されています。
その第一章「何故パフォーマンスエンジニアリングなのか?何故パフォーマンスエンジニアなのか?」という章の出だしで以下のように書かれています。
コンピュータベースのシステムのパフォーマンスは、定められた活動が高速且つ迅速なレスポンスタイムで稼働できる能力によって述べられる。迅速なレスポンスタイム、速度、スケーラビリティは、どんなコンピュータベースのシステムであれ、最も望まれる特性だ。そして、競争での差別化要因でもあるる。すなわち、この特性は機能のようにそのシステムを他のシステムと差別化し、見込客もしくはユーザをより惹きつける。
もし、そのシステムコンポーネントのパフォーマンスが低い場合、システム全体としては意図したようには機能できないだろう。もし、そのシステムのパフォーマンスが低い場合、見込客やユーザのとって魅力が無いものになるだろう。結果としてプロジェクトが失敗した場合、そのシステム構築に費やされた費用はドブに捨てたようなものである。システムが、指令・管理システム、トランザクションベースシステム、情報提供システム、ビデオゲーム、エンターテインメントシステム、ニュース表示システム、ストリーミングメディア、いずれであっても、上述の事は真実なのだ。
どのようにパフォーマンスエンジニアになれば良いのか、何を学べば良いのか、迷える日本のエンジニアの方は多いかと思いますが、この本を読めば、日本の書籍ではお目にかかれない、パフォーマンスエンジニアリングの基礎を学ぶ事ができます。
お勧めの本です。